AdWordsの「ValueTrack」でレポーティングを効率化する

AdWordsは最小限度の設定だけでも一定の情報は得られますが、運用を重ねていくとより詳しい情報を見る必要に迫られます。例えば「どの広告がどのキーワードで何回クリックされたのか」といった情報は管理画面で一発で確認することは少し難しいです(不可能ではありませんが…)。

こういった細かいレポーティングを可能にするのが「ValueTrack」です。

ValueTrackの概要

ValueTrackでは、リスティング広告をクリックされた時の情報をリンクURLに付与することが可能です。

通常トラッキングツールを利用して広告の効果測定を行う場合、トラッキングツール側で効果測定用のURLを発行し(以下測定URL)、発行した測定URLを(ここではAdWordsに限らず)広告配信システム上で、「広告のリンク先URL」(クリックURL)として入稿します。

トラッキングツールでは測定URLが叩かれた回数を元に、クリック数の測定を行っています。 広告の表示情報は広告配信システム側で管理しているので、クリック遷移以降の情報しか測定出来ないのが特徴です。

しかし、このValueTrackという機能を使えば、リスティング広告がクリックされた時の、表示情報を取得することが出来ます。 取得する方法は簡単で、入稿するURLにValueTrackで置換可能な特定のパラメータをつけるだけです。

下記が代表的なValueTrackです。

{matchtype}
キーワードのマッチタイプ。e:完全一致、 p:フレーズ一致 、b:部分一致
{creative}
広告のID(GoogleAdwords上のID)
{keyword}
広告表示のキーワード
{adposition}
広告が掲載されたページの位置 (例…1t2→1ページ目上部2位)

例えば

http://note.dimage.co.jp/?p=689&mtype={matchtype}&cid={creative}&keyword={keyword}&ap={adposition}

のようなURLを作成し、リンクURLとしてAdWordsに入稿します。 実際にリスティング広告がクリックされた場合、媒体側でValueTrackが置換され、

http://note.dimage.co.jp/?p=689&mtype=e&cid=111222333&keyword=blog&ap=1t2

というURLでユーザーは流入します。 今までは媒体側の情報を取得するにはAPIを使う必要がありましたが、これを使用することでいくつかの媒体情報を即時に取得することが出来ます。

Value trackを実務に活かす

冒頭の「どの広告がどのキーワードで何回クリックされたのか」を取得する場合、

  • (1)広告毎に測定URLを発行
  • (2)発行した測定URLの後ろにkeyword={keyword}のような形で、keywordのValueTrackを付与
  • (3)クリック時に流入してきたパラメータkeywordの値を取得

あとは「測定URL=広告毎」「keywordの値=キーワード毎」に集計すれば広告×キーワードを作成することが出来ます。

ValueTrackを使うことでこういった実務に即したレポーティングも可能になるので、より綿密な広告の運用が可能になります。 ValueTrackを使用せずに「1つの広告グループに1つしか広告を登録しない」といった縛りをつけて運用している企業も多々あるようですが、効率化できるところはなるべく効率的にするのが運用負荷を下げる鉄則ですね。