広告価値を毀損しないために知っておきたいこと

2018年6月22日

今回は巷で話題の「広告価値毀損問題」に関するお話です。
2017年頃から注目され始めた問題で、この問題を背景とした広告に関するツールのリリースを最近よく見かけるように感じます。
「話は聞いたことあるけど、よく知らない…」という方はこの記事を読んでみてください。

まず「広告価値毀損問題」とは?

インターネット広告費は年々プラス成長を遂げ、今ではテレビ広告費よりも金額が多くなり、個人法人を問わず広告枠をもつ媒体の運営も盛んです。 このように現在のインターネット広告市場には広告主・媒体共に数多くのプレーヤーが存在し、広告を通して莫大なお金の動きが発生しています。
こういったインターネット広告市場の発展には、広告配信技術の高度化が寄与しているわけですが、そこには問題点もあります。
それは「透明性」です。
広告主にとっては、自分の広告がどの広告枠に掲載されているのか、媒体にとっては、自分のもつ広告枠にどんな広告が掲載されているのか、詳しく把握しコントロールすることが難しいという問題があります。
そのため、不適切な媒体に広告配信されたり、不適切な広告が媒体に配信されたりすることで、広告・媒体のもつ本来の価値が発揮されず、むしろユーザーに悪い心象を与えてしまう場合もでてきました。
これが「広告価値毀損問題」です。

※広告配信技術に関する過去のブログもありますので、もしよければこちらもご覧になってください!
【おさらい!】アドネットワークとはこんな広告
【広告業界1年生に読んでほしい広告配信のお話】

この「広告価値毀損問題」で語られることとして、「ビューアビリティ」「アドフラウド」「ブランドセーフティ」の3つがあります。 まずそれぞれの意味についてまとめます。

ビューアビリティ
実際にユーザーが広告を閲覧しているかどうか。…広告主側が抱える問題
アドフラウド
広告詐欺。機械(Bot)などを利用して、インプレッション数(広告表示回数)やクリック数等を不正に増やすもの。…広告主・媒体共通して抱える問題
ブランドセーフティ
広告配信によりブランドの安全性を損ねないこと。…広告主・媒体共通して抱える問題

「ビューアビリティ」

広告枠をもつウェブページを見たときに、必ずしもページを開いた瞬間にページ上の全広告が私たちユーザーの目に入るわけではありません。 ページの構成上、スクロールしないと見えない箇所に広告枠が設置されている場合が多いのです。
広告をCPM(注1)で入稿している場合、インプレッション数を最大化させることが重要です。インプレッション数=読み込まれた広告の数、であり、広告はページの読み込みと同時に読み込まれます。
つまり、ページを開いて、ユーザーが下部の広告までスクロールせず別ページに遷移した場合、ユーザーは広告を見ていないにも関わらず、下部の広告も”見られた”ということでインプレッション数として計測されてしまう、という事態が起こってしまいます。

    インプレッションのカウント解説図

広告主にとっては、ブランディング等を目的としてインプレッションに対する費用を支払っているわけなので、そもそも見られていないのでは、価値のないインプレッションとなってしまうわけです。
この事態をどうにか改善できないのか、ということで注目され始めているのが、「ビューアビリティ」です。

注1:CPM(Cost Per Mile)
CPMとは、広告を1,000回表示するのに必要なコスト。 インプレッション数を最大化するように配信される。 広告を見てもらうことで会社や製品を認知させたいブランディング目的の場合に効果的。
参考:CPC(Cost Per Click)
CPCとは、広告を1回クリックするのに必要なコスト。 クリック数を最大化するように配信される。 広告をクリックしてサイトに訪れ、問い合わせや購買等何かしらのアクションをしてほしいという場合に効果的。

2014年のGoogleの調査では、ユーザーが実際に見ているのは、広告表示全体のうち50%であるということがわかりました (5 factors of display advertising viewability(英語))。
広告予算のうち50%は価値のない広告に支払ってしまっている、無駄になってしまっている、という状態のようです。
また、広告市場の発展に寄与する日本インタラクティブ広告協会(JIAA)によると、ディスプレイ広告の場合、「広告ピクセルの50%以上が1秒以上連続して表示されること」 (ビューアブルインプレッション測定ガイダンスより抜粋) で、ビューアブルインプレッション(実際にユーザーに見られた広告)であると判断されるようです。
このように定義が変更されることで、広告評価の仕方が改善され、この現在の定義を導入する効果計測ツールも増えてきています。
広告主にとってはとても重要な問題ですが、広告枠をもつ媒体にとっては、インプレッション数減、下手すれば収益減につながりうる問題なので、慎重な対応が必要になりそうです。

「アドフラウド」

アドフラウドとは「広告詐欺」を意味し、機械を使って不正なインプレッションやクリックを発生させ、広告費を騙し取ろうとするものです。
様々な手法がありますが一例をご紹介します。

広告主も媒体も被害を受けるケース-ドメインスプーフィング


    ドメインスプーフィングの全体図

これは詐欺を行う者が媒体のドメインを偽装し、媒体になりすまし入札した広告を表示させることで、広告主から広告掲載費用を騙し取るものです。
広告主からすれば、本来の媒体に広告掲載がされず、無駄な広告費が発生します。また、ドメインを偽装した媒体が社会的に不適切な内容等を掲載している場合、広告主のイメージに悪影響を与える場合があります。
媒体からすれば、得られるべきであった広告収入が奪われてしまいます。
このケースは”プレミアムパブリッシャー”と呼ばれる、広告主からの広告掲載需要が高くある大手の媒体でよく見られるようです(FTの「ドメインなりすまし」詐欺、月1.5億円の被害発覚)。
この他にも様々な手法があり、手法をわかりやすくまとめた記事がありましたので、ぜひ参考にしてみてください。広告に携わる様々なプレーヤーが被害を受ける可能性があるようです (アドフラウド完全図解)。

「ブランドセーフティ」

最初に触れたように、広告配信技術の高度化により、広告主にとっては、自分の広告がどの広告枠に掲載されているのか、媒体にとっては、自分のもつ広告枠にどんな広告が掲載されているのか、詳しく把握・コントロールすることが難しいという現在の広告問題があります。
つまり、知らないうちに自社の広告が社会的に不適切な媒体に、自社媒体の広告枠に社会的に不適切な広告が配信されてしまい、その結果、ブランドイメージに傷が付くという場合がありうるということです。
これを防ごうという考え方が「ブランドセーフティ」です。
”社会的に不適切”といえばよくアダルトコンテンツ・暴力的コンテンツ等が例示されますが、そこに該当しなくともコンテンツとの親和性を欠くものも除外すべきという広義のブランドセーフティも存在します。
一概に社会的に不適切ではないというものでも、広告主や媒体の理念などとそぐわないものであれば除外するという視点も必要になってくるというわけですね。

最後に

広告の価値に関して様々な問題があることはわかりましたが、どう対策したらいいのでしょうか。
安直かもしれませんが対策ツールの導入も有効だと考えられますし、広告配信の現状を把握しやすくするためにマーケティングの内製化に取り組むことも必要になってくるのではないでしょうか。

広告に関するシステムを提供する弊社でも、お客様と一緒にブランドセーフティに取り組んでいる事例はございます。
「こんなことってできるのだろうか?」という質問もお受けいたします!ぜひお気軽にご連絡を!

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