広告業界1年生に読んでほしいリワード広告のお話

2018年8月13日

2018年4月、2022年の国内動画リワード広告市場は2018年比約2倍の規模に成長する、との調査が発表されました。
「リワード広告」というと、「かつてアプリのランキングに密接な関係があった広告」というイメージを持たれているかもしれませんが、現在は形を変えて利用されているようです。

リワード広告とは

まず先に概要を押さえましょう。

■リワード広告
 アフィリエイト広告の一種。コンバージョンとされる行動をしたユーザーに対して報酬を還元するもの。


この「行動をしたユーザーに対して」というのがリワード広告のポイントです。

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【初心者向け記事】
 ・『広告業界1年生に読んでほしいアフィリエイト広告のお話』
【アフィリエイトシステムについて知りたい方向け記事】
 ・『【基礎解説】アフィリエイト広告の仕組みを図解』
【技術者向け解説記事3本】
 ・『セッションIDはアフィリエイト広告にこのように使われる』
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アプリ広告として注目されたリワード広告

特に最盛期のリワード広告は「アプリ広告」として説明されていることが殆どでした。
試しに「リワード広告」と検索すると、“アプリ”や“ゲーム”といった単語も一緒に検索されています。



このような文脈で語られるリワード広告は、広告運用の視点で言えば「アプリダウンロードをコンバージョンとし、ダウンロードをしたユーザーに対してアプリ内で使えるポイントを付与する」形態を指すことが多いです。

懸念事項 ”ブースト広告”

「アプリダウンロードをコンバージョンとし、ダウンロードをしたユーザーに対してアプリ内で使えるポイントを付与する」というリワード広告を、短期的にかつ大量に配信する「ブースト広告」という手法がメジャーになるにつれ問題視されるようになりました。
そもそもブースト広告の手法が使われることによってどんなメリットがアプリの販売者(パブリッシャー)にあるかというと、


このような流れを短期的に作れるということにあります。

なお「ダウンロード数が多い=順位が上がる」というわけではありません。ダウンロード数は順位に影響をあたえる要素の一つであり、アプリの利用率やアプリの説明文(画像)等、他にも様々な要素があります。
このような考え方はASO(App Store Optimizaion、アプリストア最適化)の一部とされてきました。

本来であれば、ユーザーに適切なアプリ情報を届けることが目的であるASOですが、ブースト広告の手法では、検索順位やランキングがパブリッシャーにより不当に歪められてしまうという懸念が生まれました。
ブースト広告が乱用されることにより、本来順位が上に来るべきでないものも上に表示される可能性も出てくるので、ユーザーにとって最適な情報が提供されなくなってしまうという状態が作られてしまうことになります。
アプリストア側はアプリストア上での順位を操作しようとする行為に対して数年前から規制をかけ続け、現在ではランキング操作を目的としたブースト広告はガイドラインにて禁止されています。
例えばAppStoreのガイドラインでは、

デベロッパがカスタマーレビューの内容を改ざんしたり、金銭や報酬を与えてフィードバックを得たり、フィードバックの一部のみ悪用したり、偽のフィードバックを書くなどしたりしてチャートランキングの上昇を図るか、そのようなサービスを提供する他社と協力したことが判明した場合、AppleはApp Storeの信頼性を保つための手順を踏み、そのデベロッパをDeveloper Programから除名する場合があります。
(引用:App Store Reviewガイドライン)

とされています。
つまり、不当にランキングを歪めるようなデベロッパー(開発者)は、App Storeでアプリを公開するときに必要なアカウント(Developer Program)を削除する場合がある、ということです。
年々アプリストアはランキングの信頼性を保つための動きを強め、ブースト広告は規制されていきました。

リワード広告の展望―動画リワード広告が今熱い!

ランキング操作を目的としたブースト広告は現在ではほぼ見ることはなくなりましたが、本来のリワード広告という手法自体は形を変えて利用されています。例えば近年では動画リワード広告の市場が拡大してきています。
動画リワード広告とは、動画広告を見たユーザーに対して、アプリ内で使えるポイント等を付与する、という広告です。
国内動画リワード広告市場は2018年には前年比約2.4倍(170億円)、2022年には2018年比で2.2倍(378億円)の規模になる、との調査結果が出ました。 (参考:「国内動画リワード広告市場調査(株式会社fluct)」
調査元は異なりますが、2017年の動画広告市場は前年比6割拡大、という調査もあり、動画広告そのものが近年では活発になっています。 (参考:「サイバーエージェント、2017年国内動画広告の市場調査を実施」
動画広告を扱えるプラットフォームが増えてきているのも、動画広告/動画リワード広告市場の成長を促しているかもしれません。
これからの成長が大きく見込める市場なので、広告主様や広告の媒体社様で動画広告への対応が済んでいない方は検討されるといいかもしれません。

動画リワード広告の主要サービス

アドフリくん(株式会社ADFULLY)


動画リワード広告に限らず、動画広告そのものを機能強化として従来のプラットフォームに拡充させる例も増えてきています。

■Logicad Video Ads(ソネット・メディア・ネットワークス株式会社)
動画広告配信強化の一環として「Logicad Video Ads」の機能を大幅に拡充

■fluct(株式会社fluct)
SSP 「fluct」、iOS/Androidにて、スマホアプリ向け動画リワード広告の提供を開始

まとめ

スマートフォンが普及して、アプリもゲームからビジネスに使えるものまで、様々なアプリが出ています。
そういった状況の中でいかにインストールされるかを考えるのは、アプリ事業社にとっては死活問題です。そんな中で生まれたブースト広告という手法でしたが、現在では その役割は終了したと言っても差し支えないでしょう。 一方でリワード広告そのものは形を変え、動画リワード広告のように本来のプロモーションに利用されています。リワード広告に限らず、広告主、広告媒体と広告事業者間で健全なエコシステムを作り上げていくことが重要であるという教訓なのかもしれませんね。