パーソナライズドマーケティングとは

Adobeの2019年のマーケティングトレンド予想の中で、「パーソナライズドマーケティング」が触れられています。

Adobe『2019年のマーケティング予測:注目すべき5つのトレンド』

確かに、特にECサイトでは顕著だと思うのですが、おすすめされたものに心惹かれてついつい購入してしまうなど、皆さん、「パーソナライゼーション」を体験されることが増えていると思います。

そもそも「パーソナライズドマーケティング」とは?

直訳すると、「個別最適化されたマーケティング」。 ユーザーの個人情報を元に、一人ひとりの興味関心に沿った情報やサービスを提供するマーケティング手法を意味します。

なぜ「パーソナライズドマーケティング」が今注目されているの?

パーソナライズドマーケティングが注目される理由を

  • ① マーケティング技術の発展
  • ② ユーザーが求めるものの変化

この2つの観点から見ていきます。

①マーケティング技術の発展

様々な情報を数値化し、大量に集め蓄積させることが可能となり、更に、AIによって多岐にわたるユーザーの嗜好や行動を推測することが可能になりました。

②ユーザーが求めるものの変化

博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所の調査によると

“「世の中の情報量は多すぎる」が10ポイント近く上昇(16年:42.1%→17年:52.0%)し、過半数を超えた” 「メディア定点調査2017」時系列分析」

とあり、身の回りの情報が多いと感じる人が増えていることがわかります。

身の回りの情報量の変化に加え、情報の収集方法も多様化しており、自分に合う情報を取捨選択しています。 そんな中で、自分の興味関心に沿った情報を提供される、という特別感のある体験を求める傾向がより一層強くなっているのではないでしょうか。

このように、マーケティング技術の発展とユーザーが求めるものの変化を根底として、パーソナライズドマーケティングが重要視されるようになったと考えられます。

パーソナライズドマーケティングの実践事例

LINE TICKETの事例

LINE TICKETがサービスをリリース

LINE TICKETを取り上げたこちらの記事内では、LINEのユーザー情報や興味関心データなどに基づいておすすめ公演等パーソナライズされた情報が届けられると触れられています。 ありきたりな情報を届けられるよりは、興味をそそられる情報を届けられたほうがユーザーにとっては良い体験ができますし、媒体への関心度も高まります。

大和ハウス工業の事例

『日本発!顧客の名前を組み込んだパーソナライズド動画で”自分ごと化”促進』

住宅展示場の案内をするメールに、顧客の名前や居住地に近い展示場の情報を組み込んだパーソナライズド動画を送付。通常のメルマガ配信に比べ開封率も高く、展示場に対して好意的な意見も多く寄せられたそうです。

Webメディアでの実践

Webメディアにおいても顧客一人ひとりとリレーションを築いていくことはとても重要です。 欲しい情報をユーザーに合わせておすすめしてあげる「コンテンツレコメンド」でのパーソナライゼーションが実践しやすいです。 コンテンツレコメンドといってもただPV数の多いものを画一的に表示したり、ランダムで他記事を無作為に表示させたりするのではなく、そのユーザーがどんな記事から流入して、どんな記事を読んでいるのか、その情報からどんな記事がおすすめできるのか、ユーザーを基点としたアプローチを取ることができれば、ユーザーに沿った情報提供が可能となります。 これによりユーザーへパーソナライズされた体験を提供することができます。

パーソナライズドマーケティングの留意すべき点

パーソナライゼーションの際にはユーザーのデータを利用します。データ粒度の差はあれ、取り扱いには留意しましょう。 2018年5月25日に制定された「EU一般データ保護規則」(以下GDPR)が良い例です。 EU域内の個人データをEU域外で取り扱う際の規則で、違反すると制裁金が科されますが、取り扱う際には、データ主体に対して明確に情報処理の同意をとれば多くの場合は違反にあたりませんので、正しく対応をすることが重要です。

詳しくはこちら↓

今さら聞けないGDPR対策を聞く――概要から基本原則まで最低限理解すべきこと

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