アフィリエイト事業の収益化作戦①「アフィリエイト広告のLTV計測」

2019年6月28日

弊社はWeb広告・デジタルマーケティング領域のシステム開発を得意としておりますが、お客様からのご要望として一番多く寄せられるものは実はアフィリエイトシステムです。しかし一言でアフィリエイトシステムと言っても、お客様が求めている機能やイメージする使用方法はお客様の展開するビジネスにより大きく異なります。

ただ根本にある考えは「アフィリエイト事業をどう収益化するか」。そこでアフィリエイト事業の収益化に貢献する様々な機能や使い方をピックアップして解説していきます。アフィリエイト事業立ち上げ時にシステム要件を検討する際や収益拡大の更なるステージアップをご検討の際に参考にしていただければ幸いです。テーマは「アフィリエイト広告のLTV計測」についてです。

  • アフィリエイト広告のLTV計測って?
  • 各プレイヤーから見る、アフィリエイト広告におけるLTV計測の必要性
  • 裏側の仕組みと機能を実装しない場合
  • まとめ

アフィリエイト広告のLTV計測って?

アフィリエイト広告におけるLTV計測とは、アフィリエイト広告から成果を発生させたユーザーについてその後の成果も継続して計測することです。 そもそもLTV計測とは、Life Time Value(顧客生涯価値)を意味し、マーケティング活動において成果を見る上で参考になる指標の一つであり、アフィリエイト広告の効果計測における特殊な計測というものではありません。「顧客生涯価値」とは、

企業にとってある一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらした価値の合計

というものです。
化粧品や日用品のようなリピート購入が見込まれるような商品や、ゲームやECサイト等継続的な利用が見込めるサービスでよく活用されます。

特にこういった商材の広告配信では、LTVの計測による以下のような利点を活かすことができます。

  • ①適切なCPAや広告費の設定がしやすくなる
  • ②目標値に対する進捗状況が追いやすくなる

広告を含めたマーケティングにおいてLTVという指標が注目されている背景には、顧客とのコミュニケーションを単発の取引ではなく時間軸で把握するべき、という認識が普及してきたことがあります。

一般的に広告などの評価指標としてCPA(コンバージョン単価)が重視されてきたことはご存知かと思いますが、一方で顧客と企業とのコミュニケーションは単発の購買アクションに限られません。一人の顧客は広告から初めて企業と出会ったあと、その後リピートし、いずれその企業と取引することがなくなるまで購買を続けます(もちろん1回限り、ということもありえます)。LTV、つまり『顧客生涯価値』とはそのような時間軸のなかで顧客が生み出す価値・収益を示した指標です。

①適切なCPAや広告費の設定がしやすくなる

例えば1000円の商品に対してCPA 2000円で獲得できた顧客がいるとします。CPA単体では-1000円の赤字です。 しかし仮にこの顧客が6ヶ月継続しておなじ商品を毎月購入したとすれば、累計で12000円の売上を発生させるので、2000円の広告費に対して10000円の貢献をしてくれていることになります。

CPA単体ではパフォーマンスが悪く、コスト最適化の名の元に予算を削られてしまいそうなキャンペーンも、LTV観点でみれば十分貢献している、ということは往々にして発生し得ます。LTVを分析することで、広告費をより収益の実態に即して配分し、収益機会を拡大することができるのです。

②目標値に対する進捗状況が追いやすくなる

LTVは、いわば既存の顧客に対する収益性。言い換えれば一人あたりの顧客をどれだけファンになってもらい、リピートしてもらい、事業の収益を上げるか、という視点です。一般的な単発のコンバージョンをベースとした進捗確認では、こうした既存顧客からの売上が見落とされがちです。売上目標に対する進捗状況と、その変動要因を適切に把握するためにも、継続した収益発生を捉えることができるLTVは有効な指標です。

各プレイヤーから見る、アフィリエイト広告におけるLTV計測の必要性

アフィリエイト広告においてLTV計測ができるメリット、そしてそこから考えられるアフィリエイト事業への貢献性を、アフィリエイト広告に関わるプレイヤーごとに考えてみます。

広告主としてのメリット

広告を含めた様々はマーケティング施策を俯瞰する広告主にとって、LTV計測によってより実態的な広告の収益性を知ることができるメリットは大きいです。売上目標を念頭においたとき、新規顧客の獲得だけを考えていたのに実は既存顧客からの収益の方が伸びしろがあった、という見落としも防げます。

ただし”アフィリエイト広告単位(原稿単位)”や”メディア単位”の配信結果は代理店が持っているため、社内のデータのみでは広告単位・メディア単位のLTV計測ができません。したがってもし広告主としてこのような分析を行うのであれば、広告単位・メディア単位の広告配信結果に関するデータをASPや広告代理店から共有してもらう必要があります。

メディアとしてのメリット

メディアのもつ広告枠で配信しているアフィリエイト広告にLTV計測をすることで、広告主にとって魅力的なメディアであるという訴求の材料に使えるということが考えられます。広告代理店側からLTV計測の結果を返してもらうことで、広告の表示回数やクリック率の良さのみならず継続的な成果を生み出す優良ユーザーを捕まえられる広告枠を持っている、と広告主に対してアピールできれば、新しい顧客を獲得する機会を増やすことができます。

特に専門分野の情報を配信するメディアはその分野に関連した広告商材との相性が良いので、LTVを根拠として優良ユーザーを抱えていることが証明できれば営業の場で強力な武器になります。

ASP・広告代理店としてのメリット

アフィリエイトサービス提供者・広告代理店として、次のような2つの「強み」を持つことに繋がります。

広告主へのレポーティング内容の充実化

「広告主としてのメリット」の裏返しですが、広告主へ広告運用の成果を報告する際に指標の一つとして加えることができます。”アフィリエイト広告単位(原稿単位)””メディア単位”でのLTV計測は広告主側でできないため、広告主側で見ることのできないデータを提供することができること自体が新規顧客の獲得のためのアピールポイントです。

データを活用した広告戦略の高度化

例えばLTVの高い広告(成果の継続に貢献した広告)を優先的に配信したり、LTVの高いユーザー(成果を継続的に発生させているユーザー)に対して広告配信をしたり、LTVの高いメディア(成果を継続的に発生させているユーザーが多くいるメディア)に対して広告配信する…というように、より効率的な広告配信のためにデータを利用することも可能になります。広告主へ新しい観点での戦略を提案・実現できることで、新規・追加予算の獲得に繋がります。あるいはこのように高度な広告運用が可能であると示すことで新規顧客の獲得のチャンスを生むこともできるため、既存顧客の予算アップ、新規顧客の獲得と両面で営業活動を推進することができます。

LTV計測を実現するために必要な仕組み

こうしたLTV計測を実現するためには、アフィリエイトシステムに次のような動きを実現させる必要があります(アプリの場合の計測は異なる部分がありますが本記事では割愛いたします)。

初回の成果計測
①ユーザーが広告をクリックするとアフィリエイトシステムへリダイレクト。
リダイレクト:自動的に転送すること
②アフィリエイトシステムから識別用のID(セッションIDと呼ばれる)を付与。「このメディアに出ているこの広告にクリックした人はこの番号」という形で印付け。
③広告主のサイトへリダイレクトし、ユーザーが成果を発生
④広告主サイトからアフィリエイトシステムへ成果情報が返ってくる。このときに「この番号の人が発生させた」という風に付与されたセッションIDを返すことでアフィリエイトシステム側に保存しておいたセッションIDと成果を紐づけることができる。また、このあとに継続して発生する成果を計測できるよう一緒に会員番号などのユニークなIDを返してもらう。
再度の成果計測
④再度ユーザーが成果を発生。
⑤成果を発生させたユーザーのユニークなID(会員番号等)をアフィリエイトシステムに返す(広告主のサイト上にLTVを計測するタグを挿入することでIDを返すことができる)。そうするとアフィリエイトシステム側で再度成果を発生させたことがわかる。

こういった機能の無いアフィリエイトシステムでアフィリエイト広告のLTV計測を行うには、広告主側から会員情報等をもらい広告の配信結果と紐づける必要があります。「紐づける」というと簡単そうに聞こえるかもしれませんが、多くの広告主や媒体を抱え、それぞれに対するコンサルから支払・請求まで幅広く業務を抱えている中で、膨大なデータを言わばアナログに分析するのは厳しいというのが現実です。LTV計測を実現しようとするならば、システムへの機能追加を前提に考えるべきでしょう。

まとめ

リピート購入が見込まれる商材や継続利用が見込まれるサービスで重要になるLTV計測。ユーザー単位・広告原稿単位・配信先単位でのLTV計測によって適正な広告費用が算出しやすく効率的な広告配信が可能になり、結果として事業の成長にも繋がります。

アフィリエイト事業の収益拡大の次の一手としてLTVという観点で検討してみてはいかがでしょうか。そしてもしアフィリエイトシステムにLTV計測の機能を追加するのであれば、弊社のようなシステム開発会社にご相談頂ければ幸いです。

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