解説!Cookieに頼らない効果測定技術【フィンガープリンティング】

2017年12月25日

Cookieについての解説でお話したように、近年プライバシー保護の観点からCookieの使用は制限される傾向にあります。
そんな中、最近注目を浴びているCookieや端末IDに依存しないデバイス判定を行う技術として『フィンガープリンティング』が注目されています。今回のお話はこの『フィンガープリンティング』と、それを用いてターゲティング広告配信を可能にする技術に関してです。

フィンガープリンティングとは?

フィンガープリンティングの手法の中で代表的なのがスタック・フィンガープリンティング(サーバーOSを推測する手法)です。 セキュリティ関連の言葉ではありますが、最近注目が高まっている41st Parameter社が開発した「AdTruth」もセキュリティ、詐欺行為の防止で培った技術を活かしているようです。


現在このフィンガープリンティング技術がもっとも利用されているのはイギリスと言われています。 イギリスを始めとしたEU圏(※本稿の執筆時はイギリスEU離脱前)では『Cookie law』が施行されており、ユーザーを追跡する際にCookieを利用する場合、ユーザーからの明示的な承諾を得る必要があります。こうした背景もあり、近年フィンガープリンティングの利用度が急速に上がっているのだそうです。 日本で法的にCookieが制限されるのはもう少し先のように思われますが、ブラウザ側でCookie制御が入り始めているのでウカウカもしていられないです…。

Cookieに代わる計測技術の必要性

とはいえ、Cookieが利用できる日本でこれほどフィンガープリンティング技術が騒がれているのには理由があります。 それはほとんどの計測・配信技術がCookieを基盤に行われているからです。 これが今後、根底が覆らないともいえないのです。


例えばiPhone固有ID等は、
UDID、UUID、UIID,OpenUDID、IDFV、ASID
と多種多様存在し、これらが今後利用できるかの保証もありません。


iOSアプリのインストール計測ではブラウザ起動が必要です。 つまり、特殊な条件を除けばCookie情報が必須となっているのです。 目下iOSアプリ広告の市場においては、フィンガープリンティングを使ってでも計測を行う必要に迫られています

フィンガープリンティングの不完全さ

Cookieを利用せずにデバイスを推定するためには、Cookieに代わる大量のデータを取得する必要があります。 では一体どれ程のデータを集めているのかというと、ざっと書き出しただけでこれだけあります。



  • ・CPU
  • ・システム設定言語
  • ・ユーザ設定言語
  • ・UserAgent
  • ・ブラウザ名
  • ・ブラウザバージョン
  • ・画像解像度
  • ・タイムゾーン
  • ・システム時刻
  • ・Java
  • ・Flash
  • ・Acrobat
  • ・QuickTime


思いつく範囲でデバイス推定に必要な情報を挙げてみましたが、まだまだ足りていないでしょう。 ここで重要なのはフィンガープリンティングは、「特定」するのではなく、あくまで「推定」であるという事です。 これ程までのデータ量を駆使してもデバイスの特定までには至らないのです。

まだ日本ではCookieとフィンガープリンティングは補完関係にあり、これらの情報を各企業で独自に連携し、精度を上げていくという状態がしばらく続きそうです。

当社では『admage®』という、広告の配信システムを提供しています。

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広告の配信には効果測定が不可欠で、トラッキングの問題は避けては通れません。
今後当社としても、こういった全世界的な課題を考慮して製品の開発を続けて参ります。