アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)はアフィリエイト広告において、広告主とメディア(媒体・アフィリエイター)を仲介するサービスを提供する事業者です。
ASPが、いわばアフィリエイト案件のマーケットとしての役割を担うことで、広告主はメディアとの提携を容易にし、メディアは豊富な案件から選択することが可能になります。
ASPには「オープンASP」と「クローズドASP」の2種類があります。 「オープンASP」はASPそのものへの登録は誰でも可能で、個人や初心者アフィリエイターを含めた多くの人が参加できる形式のASPを指します。 ただし、ASP自体への登録は誰でも可能ですが、個別のアフィリエイト案件に対しては提携(つまり当該広告を自サイトに掲載すること)に審査を要するものもあるので注意が必要です。
一方で「クローズドASP」は、ASPのサービス登録自体が制限されています。基本的には優良なメディアに対してASP側からコンタクトを取りリクルーティングしていきます(場合によってはサービス登録のための申請フォームが存在するものもあります)。
広告主から見たASPとしての価値は、どれだけの数の、どれだけ優良なメディアを抱えているかです。オープンASPは登録されているメディアの数は多いものの、気軽に登録できることから広告媒体としての質は様々です。
一方でクローズドASPは登録自体に制限を設けているので、メディアの数自体はオープンASPに勝りませんが、メディアとしての個々の質は優良な傾向があります 広告主からすると、比較的コストを抑えて多くのメディアに広告を掲載してもらうか、より媒体価値の高いメディアに高単価で掲載してもらうかは戦略次第、ということです。
次は、広告主・メディアも含めたアフィリエイト広告全体の関係のなかでASPの立ち位置を整理してみましょう。一般ユーザーの広告クリックを起点として、どのようなやりとりが発生するかを図示しました。
※ 実際のデータやお金のやり取りとは多少異なります
ASPが関与しない場合、広告主・メディアと一般ユーザーの関係は以下のようになっています。
一般ユーザーがメディアの広告をクリックし、広告主のWebサイト上で成果を発生させるとメディアに報酬が支払われる…という、最もシンプルな成果報酬の形です。 なおこういったASPを経由しない、広告主 – メディア間で直接取引をする形態を「自社アフィリエイト」などと呼びます。
ASPが案件の仲介をする場合、以下の図のようになります。
広告主・メディアとの間にASPが介在することで、報酬や広告費のやりとりを仲介しています。
またASPは、広告主から媒体主への間に複数介在している場合もあります。1つのASPが仲介できる広告・媒体は限られるため、ASP間同士で提携・連携することで、より多様な広告案件・掲載媒体の確保を実現しています。
この場合、商流の中でより広告主側に近いASPは媒体側にいるASPから見て「媒体」、逆に媒体側に近いASPから見て広告主側にいるASPは「広告主」に相当します。 つまり、複数ASP間でのそれぞれの立ち位置は相対的なものということです。
実際にアフィリエイト広告が出稿され、メディアに掲載されるまでにはこうした複数のASP間でネットワークを介しているケースが多いです。本記事の前半で示したようなシンプルなモデルよりは、こういった複雑な広告 - 広告枠の取引のほうが実態に近いでしょう。
ASP間で提携・連携する際にASPで利用しているシステム間でのデータ連携が必要になる場合には、システムの設定等々に関わるので意識する必要があります。
もしASPが存在しない場合、広告主は自力でメディアに対して提携の交渉をしなければならず、広告費に見合うだけの成果のスケールを出すためには多大な労力を費やす必要があるでしょう。メディアによっては良好な関係と成果のために、個別に提案をしていかなければならない局面もあるかもしれません。
メディア側も同様です。広告主と連絡を取り、自社の媒体価値をアピールしタグや画像素材の授受といったやりとりを1件ずつ行うことは骨が折れます。
もしASPがなければアフィリエイト広告のハードルは格段に高くなり、現在のようなアフィリエイト市場にはなり得なかったでしょう。
資料のご請求、製品についてのお問い合わせはこちらから。