ワンタグシステムとは

ワンタグとは「ひとつのタグにまとめる」こと

ワンタグとは、アフィリエイト広告でよく使われる言葉で、複数のASPのタグを集約して管理する機能を持つツールやシステムが、ワンタグシステム(ワンタグツール)です。

ワンタグでタグを集約するイメージ

ワンタグツールのメリット① 複数のタグが1つで済む

Web広告のなかでも、アフィリエイト広告は特に「タグ」の設置・貼り替えが頻繁に発生します。ワンタグ機能のあるツール・システムであれば、タグの管理やメンテナンス工数を大幅に削減することが可能です。

アフィリエイト広告では、『広告主』『ASP』『メディア(アフィリエイター)』が存在し、多くの場合は広告主とASPあるいはメディアの間に『広告代理店』が介在します。この4社の間では、主にASPから発行される2種類の「タグ」のやりとりが発生しています。

アフィリエイト広告出稿時のタグのやりとり

ひとつはメディア(アフィリエイター)がWebサイト上に設置し、広告そのものを配信する「広告配信タグ」で、もうひとつは広告主や広告代理店が当該の広告による成果を計測するための「成果計測タグ」です(各社によってタグの呼称は多少異なる可能性があります)。ワンタグシステムがタグを集約する機能は、主に後者の成果計測タグで活躍します。

例えば、あるWebサイト上にASP(a)社の成果計測タグが設置されているとします。ここに、ASP(b)社の成果計測タグを追加する場合、通常は人の手で必要なWebページすべてに設置する必要があります。しかし、ワンタグシステムを利用して設置していれば、Webページ上のタグそのものを編集する必要がありません。編集するのは、各タグを登録しているワンタグシステムの管理画面のみです。

アフィリエイト広告では多数のタグが利用されている

普段「Googleタグマネージャー」などを利用しているWeb担当者の方であれば、ほぼ同じような用途だと考えて差し支えありません。広告主にとって、2、3個のタグであればさほどの労力ではありませんが、運用を代行している広告代理店であれば、数多く抱える広告主に対して、タグ設置・削除を依頼する頻度が大幅に減るので、業務の負荷が大幅に解消されます。 また、アフィリエイト広告の場合には、このタグを集約することが、レポーティングしていく際に非常に大きな意味を持ちます。

ワンタグツールのメリット② 複数のASPのレポートを一元化する

アフィリエイトのワンタグシステムにある、もう一つの重要な機能がレポートの一元化です。通常、アフィリエイト広告のパフォーマンスを確認するには、ASP各社の管理画面で提供されているレポートを閲覧する必要があります。もし広告主・広告代理店が複数のASPを利用していれば、利用しているASPの数だけ管理画面へのログインし、レポートを確認する必要があるうえに、レポートのフォーマットも各社様々です。

つまり、利用しているすべてのASPのレポートを集計して、一覧できるようにするには、運用担当者がひと手間かけて成形する必要があります。ひとつひとつは僅かな手間ですが、毎日積み重なると考えれば、無視できないロスです。ワンタグ機能を持つシステムであれば、このような各ASPのレポートを、ひとつの管理画面上に集約することが可能です。

ワンタグにしなければ手動で集計が必要

レポートの集約は、特に運用を代行する広告代理店に大きなメリットがあります。広告代理店では、広告主と同様に様々なASPと取引することに加え、複数の広告主に対して定期的にレポートを送付したり、レポートをもとに運用の改善案を提案したりする必要があります。そのため、特にレポートの制作作業を効率化できる恩恵は大きいです。 メディア側(特に法人として多くのASPを利用している場合)も、こうしたレポートの一元化は同様に有益です。

ワンタグツールのメリット③ 成果の重複を解消する

複数のASPを利用している広告主の場合、異なるASPに同一の商品の広告を出稿することがあります。もし異なるASPの、同一商品の広告を複数クリックしたことがあるユーザーがコンバージョンに至った場合、どのASPの広告からのコンバージョンとすべきか…という問題が発生します。

前述のとおり、ワンタグシステムがない場合は、各ASPの管理画面上の数値をもとに判断することになります。もちろん、当該ユーザーのコンバージョンは、各社のレポート画面にそれぞれ1件ずつ計上されます。

どのコンバージョンを成果とするか?

しかし、実際に発生している成果は1件のみなので、各社のレポートを単純に集計してしまうと、実態よりも多く成果が生じていることになってしまいます。 このように、ひとつの成果が複数計上されてしまう現象を「成果の重複」と呼ぶことがあります。この場合、広告主が手動でどの広告からの成果を正とするか、承認していく作業が必要です。

多くのワンタグシステムでは、成果の重複を解消する基準・仕組みを備えています。一般的には「ラストクリック」方式を採用しており、最後にクリックした広告に成果が割り当てられます。

ラストクリック方式による成果の判定

これは、単に手動で成果を再集計する手間を省略できること以上に、システムに任せる(人の手を介在させない)ことで、広告運用の最重要指標のひとつである成果の整合性・正確性を担保できるという点に着目すべきです。

自社でASPサービスを立ち上げるなら必須の機能

当社には、特に広告運用を代行する広告代理店から「運用だけでなくASPとして事業を始めたい」というご相談をいただくことがあります。つまり、ASPとして広告案件を仲介する事業を始めたいので、アフィリエイトシステムが必要…という内容です。

自社でリクルーティングしたり、他社ASPと接続することで出稿先メディアを保有し、広告主・メディアに提供する管理画面を備えたシステムがあれば、ASPとしてのサービスを提供することも可能です。逆説的ですが、ひとつの管理画面で様々な広告・メディア(およびそれらを融通しあう他社ASP)のデータを集計するのであれば、必然的にワンタグ機能を用いて、計測したデータを一元化することになります。

ASPとして必要な機能

広告主、メディア、広告代理店、あるいはASPでも、アフィリエイト広告のネットワークを利用するのであれば、様々な形で「ワンタグ」という技術を利用しています。当社はこうした広告の仕組みに、システム開発会社として関わっており、パッケージ製品として広告配信システム「admage®」を提供しています。アフィリエイト広告に限らず、Web広告システムのお悩みはぜひ当社までご相談ください。

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